第408章

「クク、いい子だ。桂川おじさんのところへ行け」

望月琛の足は一瞬たりとも止まらない。

「毒蛇が出たと伝えろ。医療班を呼ばせるんだ」

前田南の意識が、次第に遠のいていく。朦朧とする意識の淵で、望月琛が耳元で低く囁くのが聞こえた。

「寝るな。頼むから、目を開けていてくれ」

その声は、いつになく懇願の色を帯びていた。何やら生温かいものが頬に滴り落ちる。血だろうか? それとも……涙?

「望月社長! こちらです!」

桂川翼の声が遠くから近づいてくる。

彼女の体は、平らな石の上に慎重に横たえられた。

望月琛の手はずっと彼女の後頭部を支え続け、もう片方の手は止血帯を死に物狂いで押さえつけ...

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